採用企業 : 株式会社ZUU
金融×ITを牽引するZUU社が挑む多様性とグローバル人材活用
バングラデシュからのエンジニア採用プロセスと成功の秘訣
採用企業様:株式会社ZUU
VENTURAS(ベンチュラス)の外国人エンジニア採用サービスをご利用いただき、グローバルでの採用を積極的に進めている日本企業様の声を紹介するインタビューシリーズ。今回は株式会社ZUUの採用・人事開発部部長、蛭田様にお話をうかがいました。2023年5月に、バングラデシュからソフトウェアエンジニアの採用をしていただきました。
ZUU様においては、初のバングラデシュからのエンジニア採用。英語のみで採用活動を行い内々定まで出された後、半年間の現地での日本語研修、現地からの3か月間のオンラインインターンを経て、フルスタックエンジニア、アシクルさんをご採用いただきました。バングラデシュでの採用活動への期待や不安、意思決定までの背景など、リアルな声を採用・人材開発部蛭田様におうかがいしました。
【株式会社ZUU様について】
会社概要:
従業員数:140名(内、開発部門20名)
2013年設立。個人がより良い金融意思決定を行い、資産を最大化することを支援することをビジョンに、個人向けの金融情報や投資情報を提供するオンラインプラットフォームの運営、投資や資金マネージメントに関するコンテンツやツールの提供を行う。個人投資家にとって重要な情報源として業界内で確固たる地位を確立している。
企業WEBサイト https://zuu.co.jp/
採用頂いたエンジニアポジション:
フルスタックエンジニア
まずは現在の事業内容をお伺いさせてください。
蛭田様:フィンテックプラットフォームと、フィンテックトランザクションという2つの領域で事業を行っています。資産運用や投資を行うユーザーに、メディアを軸とした広告やマーケティングなどを用いて支援する領域です。フィンテックトランザクションは金融商品のプラットフォーマーとして、様々な金融機関と連携しながら、最適な金融商品を顧客に届ける領域です。
どういった背景で、バングラデシュからの来日採用を始められたのでしょうか。
蛭田様:優秀なエンジニア採用の確保が事業成長において命題の中、バングラデシュ人は技術力が非常に高く、親日であり、とても真面目であると知って、バングラデシュの可能性を感じました。
また、元々弊社のZUUという社名はZOO(動物園)とユニバースの掛け合わせであり、多様性を大切にしています。国籍、宗教を含めて、社内の多様性を高める取り組みの一環でもありました。去年は中国、韓国などからも採用しており、幅広く世界中から集まって欲しいと思っていました。
(画像:ZUU 採用・人事開発部の蛭田様)
多くの企業様は外国人であっても、最初から日本語で採用面接を希望され、それによって母集団が激減してしまいます。御社では、母集団の形成時点では英語でよい、という前提で選考プロセスを開始されました。
「英語での採用・内々定→日本語研修→内定後オンラインインターン→最終内定者の見極め→渡日・入社」という全体の選考フローに対する評価をお聞かせください。
蛭田様:結論から言うと、英語で採用、後から日本語のキャッチアップおよび、リモートインターンという今回の方法は、十分成果が出たと感じています。元々、海外の人をオンラインで採用するにあたって、日本語能力が高いということだけや、レジュメやスキルテストの結果がとてもいいというだけで、本当に正しく判断できているのか、という思いがありました。
今回、ベンチュラスさんのご協力の元、現地で半年間の日本語研修をし、3か月間のリモートオンラインインターンシップで、約1年かけて、各候補者のパーソナリティをじっくり評価できました。弊社とのカルチャーマッチ、仕事への取り組み方、日本で勤務することのフィット感など、面接では見切れない多面的かつ深いところまで様々ジャッジができました。
3か月間のインターンシップでは御社エンジニアチームの皆様にリモートでメンターについていただきながら、実際の業務を通して見極めを行っていただきました。オンラインインターン実施にあたっての、御社の戦略はどのようなものだったのでしょうか?
蛭田様:スキル評価と、人物面評価を、組織的かつ定期的に出来るようにしていました。メンターを候補者一人一人につけて、メンターが得たインサイトや情報を人事との月1定例会を通じて、彼らの状況・言動・スタンスも含めて、しっかりと共有してもらっていました。
どんなコミュニケーションを取るか、どんなプロジェクトの任せ方をするか、また技術的なスキル評価のために、”彼の得意領域ってここだから、逆に苦手な領域を任せるとどんな反応するのか”といったことなどを、お互い報告しながら、チーム内でコミュニケーションを取っていました。
その密なコミュニケーションが、最終内定者の見極めのみならず、来日採用後に受け入れが非常にスムーズに行えた一つの要因だと感じています。
今回入社まで9か月という長丁場で、離脱者が出るかもしれない長期間に渡る研修でした。しかし御社の内定者においては全員が最後まで高いモチベーションでやりきりました。リモートで内定者をフォローする中で、特に気をつけていらっしゃったことはありますか?
蛭田様:エンジニアチームが非常に協力してくれたことが大きかったです。日本で働くというのがどういうことなのかを伝えるコミュニケーションを常に取ってもらっていました。
バングラデシュから日本に来ることは、彼らにとってキャリアや人生を180度変える大きなドリームチャンスだと思っています。そこに対してジャッジをするだけの否定的なコミュニケーションではなく、引き上げるようなポジティブなコミュニケーションをエンジニアチームがしてくれていて、そこがモチベーションに繋がっていたと思います。また内定者が自分で学んだことを、積極的にプレゼンや朝会でアウトプットしてもらったので、そのあたりにも面白さを見つけ、長く続いた要因だと感じています。
実際に半年の日本語研修中の、候補者の日本語力、会話力の上達スピードは予想と比べていかがでしたか?
蛭田様:最終合格したアシクル君はもちろん基準には達していましたし、これだけ難しい文法、漢字、ひらがな、いろんな文字もある中で、しっかりとキャッチアップしてもらったのは、アシクル君に限らず、5名の内定者の学習力の高さ、ひいてはバングラデシュ人の日本で働くことに対するハングリーさを非常に強く感じました。ただ、外国にいながらにして、たった一年で学びきるには正直限界もありますので、日本に来た後もしっかりと学び続けるスタンスを持ってもらうのは大事だと思っています。
最終的に候補者を選ぶ際の選定条件・見られたポイントはどこでしたか?
蛭田様:日本語・技術スキル習得の成長曲線に加えて、考え方、素直さを、総合的に評価しました。また日本という違う文化の中で、どれだけ柔軟性を示して溶け込めるか、入って終わりではなく、入社後もしっかりとコミットできるようなスタンスを持っているかも評価しました。
(画像:採用・人事開発部の蛭田様と、バングラデシュ人エンジニアのアシクルさん)
弊社がバングラデシュにて、母集団形成・採用プロセスの実行支援、オンラインインターンの現地業務環境の提供、勤怠管理、内定者への日々のサポート、送り出しフォローまで行わせていただきました。特によかったことや、ご評価いただいている点はありますか?
蛭田様:採用から研修、送り出しに至るまで、すべて細かいフォローでとても助かりました。
また「英語面接→日本語研修→オンラインインターン」というフローは、日本企業にとって、特にバングラデシュからの採用に二の足を踏む会社にとっては、いいフローだと思います。採用するかどうかの判断がつかないのであれば、こういった取り組みでまずは始めてみるといいかもしれません。
また企業側の受け入れ体制も、一年間あればコミュニケーションを取りながら整えられますので、開発の人たちにとってもいい刺激にもなると思います。
どういった組織条件が揃えば、外国籍人材が生き生きと融合して活躍できる御社のような組織になれると思いますか?
蛭田様:当たり前ですが、受け入れる側が理解を示さない環境だと、絶対無理だと思います。その理解は、自己中心的ではなく、周囲にも気を使い、組織として回していこうという意識があることが大事だと感じています。また、開発チームだけに「外国人材を受け入れてね」と丸投げしても駄目なので、人事として会社全体として、どんなサポートができるのかを複合的に考えています。同僚・上司・周りの部門が皆で少しずつサポートしていく会社体制が必要だと思います。
お互いがそれを配慮してやってあげたら、受け入れ体制は割と作りやすいのかなと思います。
理解を醸成するには、「理解してください」で丸投げしても意味がないので、人事側から社員さんたちに働きかけは必要です。我々の場合は比較的最初から理解を示していただく社員の方が会社のカルチャー的に元々多かったので、特別苦労した、ということはなかったですね。
(画像:ZUU様オフィスにて、バングラデシュ人エンジニアのアシクルさんと開発部門の皆様 )
本日は、ありがとうございました!
(取材聞き手:株式会社VENTURAS グローバル採用育成事業部 土田沙羅)
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