採用企業 : 株式会社システムフォレスト
ベンチュラスの外国人エンジニア採用サービスをご利用いただき、グローバル採用を積極的に進めている日本企業の声を紹介するインタビューシリーズ。今回はクラウドソリューション企業である株式会社システムフォレストの代表取締役社長 富山孝治様と、デジタルイノベーション本部 クラウドインテグレーション部 部長 立山眞子様にお話をうかがいました。2019年6月から、バングラデシュの新卒エンジニア、リドワン・アーメッドさんを採用されています。
会社概要
従業員数:37名(開発部門20名)
本社を熊本、開発部隊を福岡に置き、セールスフォース・ドットコム社の九州最大規模のパートナーとして、システムコンサルタント・クラウドソリューション事業を展開。また熊本ではIOT/AIソリューション企業として高い認知を持ちます。
WEBサイト https://www.systemforest.com/
求人内容
職務内容: Salesforceエンジニア
顧客企業の課題に応じて、Salesforce標準機能カスタマイズ・連携開発/要件定義/運用検討など
現在どのような事業をされていますか
富山社長: セールスフォース・ドットコムのソリューションパートナーとしてクラウド事業と、IOT/AIソリューション事業の2つの事業の柱があります。
元々、エンジニア採用はどんな課題がありましたか?
富山社長:中途も新卒も、国内から優秀なエンジニアを集めることに課題を感じていました。
優秀な福岡のエンジニアが都心に行ってしまうから、認知度が低い地方に人を集めることは難しくて、前はマイナビ、リクナビなどに投資して集めようとしたことがありました。200人エントリーして、すごい労力つかって50人に絞り、そこから5人採用した。だが内定辞退がたくさん出て、最終的に1人しか残らなかったです。
その一人は学校説明で出会った子だったんです。なので2年目くらいから私が学校に行ってブースを開いて人を集めるようになりました。母数団は少ないですが徐々に新卒採用の型が出来るようになってきました。課題は、中途が欲しいのに採用ができないこと。話を聞いてもらえる機会を作れたら、うまく説明できるけど、そこに至るまでが大変。この会社でこんなことやりたいから入りたい!と言う人は極めて少ない。でも待っていてもしょうがないから、中途もあきらめないけど、新卒でとって育成していくのがいいのかな、と。最適解かはわからないけど、考え進めているところです。
そんな中、外国人エンジニア採用をはじめたきっかけは何だったのでしょうか?
富山社長: 1つは、上田さん* がいたから。(*VENTURAS代表)
ベトナムのオフショアを一人、とかという話や案内はいっぱいある。そういうのができますよ、と言われて終わります。次のアクションまで落ちない。もしご検討いただければ・・という感じで終わる。上田さんは次のアクションが明確でした。バングラデシュエンジニアとのオンライン面談の前から、絶対雇おう!と思っていたわけではありませんでした。話を聞いてみようかな、というくらい。でも、面談をしている中でいいかも、と思いました。
2つ目は、我々の中でも「多様性」というキーワードが出ているときだったので。そういう人がいてもいいんじゃないか、と。そもそも私たちが真面目な人を取りたがる。その方が安心じゃないですか。だからちょっと刺激的な人をとってしまうとハレーションが起こってしまうと思って結果組織が真面目な人だらけになる。日本人ではない全く異なる人を採ることで、日本人とは違う発想とか要素が出てくるかも、という期待がありました。
初めての外国人エンジニア採用で、何を判断材料とされたのでしょうか?
立山部長: 面談の前は、新卒学生だから勉強だけなのかな、と思っていたのですが、実際に話を聞いたら実際にカーシェアのアプリを作っていたとか、実践に近いことも色々やっていることがわかりました。日本語は発展途上でしたが、技術的には持っているんだろうな、という期待値ですね。
日本語力について不安はありませんでしたか?
富山社長: エンジニアだからコーディングのところしか見てません。お客さんのところに行って日本語で話してもらう、というのは考えていなかった。なので入社時に日本人みたいな完璧な日本語を求めるよりも、外国人エンジニアの方が活躍できる部分をきちんと定義し、ここを限定的に!と業務設定することが大事と思います。なので、その人のスキルバックグラウンドが1番大事。あとは適応能力があるか、とか。
リドワンは、「ゼロから3ヶ月で400時間日本語を勉強し就職面接までのぞんできた子」と聞いていたので、絶対に日本で働きたいという意思とガッツは感じ、今は発展途上でも、これから伸びていくのだろうという判断もありました。あとは、猫の手も借りたいくらい忙しいので。カルチャーの面とか不安もありましたが、我々は面倒見の良い会社なので(笑)なのでそこはあまり考えなかったですね。
入社して今3ヶ月目。現時点での業務遂行能力はどうですか?
立山部長:リドワンはわかってしまえば作るのがとても早い、頭がいい、コーディングレベルが高いです。これを生かすためにも日本語だ、となりました。
今入社3ヶ月で、日本語の聞き取りは格段に上がっています。聞き返すことが少なくなってきています。先輩エンジニアが悪い言葉教えたらそれも全部覚えてる。面倒くさい、とか(笑)。先輩がリドワンに『面倒くさいって言え』と言っていじったり、それでどういう風に使うのか覚えて行ったり。いろんな読み方があるから漢字が1番難しい。会社の皆が、リドワン日本語育成のために、日本語録を作ったりと活発に関わってくれています。
日本人と外国人で、新卒エンジニアの違いは感じますか?
立山部長: 日本人新卒とは少し育成方法が異なりますね。
弊社は業務系ソリューションの構築も多いのですが、社会人を経験していないと、ビジネスのルールがわからないことがあります。帳票とか経理のドキュメントルールとか。
これは日本人の新卒者も同じ。ですが、日本人だとアルバイトをしてビジネスに関わるから多少は知っている一方で、バングラデシュでかつ新卒だと、請求書、支払いとかは日本の学生より知らないことはあると感じています。ここは、学習コストがかかるところですね。
ですが、テクニカル的には持っている、と皆感じているので、業務を理解し、戦力化してもらうための早期立上げのための育成を部門皆でしています。目安は6ヶ月。ここまでに立ち上げってもらいたいです。
入社後、社内の外国人受け入れ体制など気をつけたことはなにかありますか?
立山部長:イスラム教の宗教的なことはあまりにも知らなかったので、習慣とか食事とか。こっちきて食べるものがあるのかな?くらいのところから始まりました。お祈りの場所は、社内の一角に営業用のテレマブースを使ってもらうようにしました。ケータリングもリドワンだけハラル対応にしたりすることもあります。また、間違って豚骨ラーメンを食べにいかないよう、「豚」の漢字を早めに覚えさせましたね。
バングラデシュエンジニアの採用によって、社内の変化はありましたか?
立山部長:みんなで助けようという雰囲気が醸成されました。また、ふわっと使っていた日本語を正しい日本語で使えるようにと、より適切なコミュニケーションのとり方に気をつけるようになりました、そうじゃないとリドワンに説明できないですので。結果的に、お客様に対しても、社員同士でも、的確な表現で伝えようとする意思が社内で醸成されていると感じます。
富山社長:実は、欧米人じゃなくてよかったかなとも感じたりします。バングラデシュ人の特徴でもあるそうですが、リドワンは、圧倒的にフレンドリー。変に合理的なところを前面に出されると最初から険悪な感じになるかもしれないところ、ああいう子でよかったなと。
立山部長:いつもニコニコしていて、穂やかでエヘヘって感じですね(笑) 怒れなくなる。好奇心旺盛で、泳げないのにスキューバダイビングにいったりと皆に可愛がってもらっていますね。
リドワンさんに、2、3年後の役割として期待していることは?
立山部長: 戦力として開発の主軸になってほしいですね。仕様書のこと細かい定義や説明も自分で理解ができるようにもなってほしいです。
また、バングラデシュ人のリドワンは英語が得意なので、海外から情報収集をしたり、チュートリアルを理解して社内に展開したりと、そういう動きをリードしてくれることにも期待をしています。
都内でも地方でも人手不足。それを解決するために外国人エンジニア採用があるのはわかっているがなかなか踏み出せない企業が多いです。そういった企業にアドバイスやご意見を。
富山社長:外国人採用することで社内の制度を見直すことができると思っています。ダイバーシティは忖度ができない。アイコンタクトで、とかができない。会社の成長のためにうちもあえてジェンダー(レス)の社員を雇ったりしている。みんなに公平に情報を提供する。ちゃんとした会社に。変化を作るきっかけになるのではないか。
立山部長:多様性に否定感はない。ただリスク、期待感両方あるのも事実です。弊社はそこに面白みを感じています。それぞれの会社の文化、考え方によるとは思いますが、外国人採用に関する抵抗感を持つ必要は無いと思います。
(写真:リドワンさんと、システムフォレストの皆様)
本日は、ありがとうございました!
(取材聞き手:株式会社VENTURAS 代表 上田代里子)