採用企業 : 株式会社レゾネスト
社長以外全員が外国人エンジニア、先進的グローバル採用事例
【57歳でSONYから独立】建設DXに挑む
社長以外全員が外国人エンジニア、先進的グローバル採用事例
採用企業様:株式会社レゾネスト
VENTURAS(ベンチュラス)の外国人エンジニア採用サービスをご利用いただき、グローバルでの採用を積極的に進めている日本企業様の声を紹介するインタビューシリーズ。今回は建設DXソリューションを提供する株式会社レゾネストの代表取締役、前川博俊様にお話を伺いました。
レゾネスト様は、代表の前川様以外、ほぼ全員外国籍エンジニアで構成されている非常にユニークな企業です。これまで6名の外国籍エンジニアをVENTURASが採用支援させて頂きました。社内の共通言語は当初から英語で徹底されています。
外国人採用において先進企業とも言えるレゾネスト様の事例を基に、外国人エンジニアの採用背景や見極め基準、そして外国籍人材が定着し活躍できる組織づくりについて紹介します。
(写真:レゾネスト様 オフィスにて。代表の前川様とエンジニアの皆様)
株式会社レゾネスト様について
会社概要:
従業員数: 6名(うち、開発部門は6名)
レゾネスト(RESONEST)は、代表取締役である前川博俊さんが2015年に創業したITソリューション提供企業。前川さんは、32年間SONYで光ディスク開発や、AIを使った半導体デバイスの自動設計、インターネットの仕組み作りなどに携わり、その経験を活かして57歳で起業。現在レゾネストは、中小企業向けにAIやIoT、アナリティクス技術を駆使した支援を行い、特に建設業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)支援に注力。掘削自動設計やマシンガイダンスシステムを導入し、プロジェクトの効率的な管理を実現している。
これまで採用頂いたポジション
・ロボットエンジニア(メカトロニクスエンジニア)
・AIエンジニア
・バックエンドエンジニア
・リサーチ&分析エンジニア
まずは現在の事業内容をお伺いさせてください。
前川様: SONYに32年間勤めた経験を生かして、主に中小企業をIoTやAIの側面から支援しています。IoTやロボット機械系ソリューションの研究開発、マーケティングなどを最初は広く手掛けていたのですが、途中から土木会社や建設会社の手伝いを始めました。現在はこちらがメインになっており、いわゆる建設DXを手掛けています。掘削自動設計やマシンガイダンスシステムを導入して、建設現場の効率的なプロジェクト管理を実現することを支援しています。
具体的にはどのような技術を使っているのですか。
前川様: 土木・建設では、ドローンで測量し、施工設計をして、工事を行い、完成後の検査をします。掘削自動設計は、施工設計の一部を自動化するものです。マシンガイダンスシステムは重機に設置され、設計面と現在の施工位置を重機のモニターに表示してガイドすることで、工事の効率を大幅に向上させます。さらに、設計データや工事履歴はクラウドに記録して、工事の工程も管理することで、建設のDX化を実現しています。
今、社員数は全部で何名でしょうか?
前川様: 6名です。バングラデシュ人、スリランカ人、カンボジア人。全員外国籍エンジニアです。他に委託先社員の日本人が1名いますが、業務上の共通言語は英語です。
(写真:レゾネスト 代表取締役 前川博俊様)
社長以外、殆ど全員外国人という企業様は非常に珍しいと思うのですが、どういった背景でこのようなチーム編成にしようと考えられたのでしょうか?
前川様:最初は日本人を探しました。ただ、会社の規模が小さいためかなかなか応募がありませんでした。また、“土木・建築現場のITエンジニアリング”が一般的に想起されにくい、あまり魅力的ではないイメージもありそうでした。
それで外国人採用に方針を転換し、一人目のエンジニアとして、ロシア国籍の方を採用しました。その後、VENTURASさんからの紹介でバングラデシュ人エンジニアも越境採用し始めました。
なるほど、最初はできれば日本人を採用したかったという気持ちがあったんですね。
前川様:はい、最初は良く考えず、日本人を探していました。ですが実際にインタビューを行ってみると、思っていた以上に、外国人は日本に来て働く意欲が高いことがわかりました。
彼らは母国で得られないような新しい経験を日本での業務に求めています。働く会社の規模ではなく、自らの経験値を上げることに貪欲です。その成長とスキルアップへの高いモチベーションは、弊社のような会社にとって求める人材とマッチしていると感じました。
もう1つは、外国人エンジニアは一般的に、何十年も1社に勤め上げるというよりも、一定の期間で経験値を積んでステップアップしていく考え方を持っている人のほうが多いと捉えています。弊社としても、必要なタイミングで、必要なスキルをもった人材に来てほしいと考えているので、ずっと長居してもらうことを最重視しているわけではありません。この点でも、ある意味利害が一致しているので、来てもらいやすかったというのはあると思います。
実際に弊社を通じて採用頂いたエンジニアが複数名いる中で、一人目のRidwanさん(ロボットエンジニア)について少しお伺いしても宜しいでしょうか。彼は2020年にバングラデシュから採用頂きましたので、もう勤続4年目になりますね。何が決め手で採用に至ったのでしょうか?
前川様:Ridwanのときは、実は最初は違う候補者に興味があったんです。でも、VENTURAS代表の上田さんが「この人はお勧めですよ」と推薦してきた。そこで面接をしてみたらとても良かったんです。取り組み姿勢やチャレンジ精神ですね。
過去のプロジェクトを説明してみてと言ったら、30分くらいの大プレゼンテーションをオンライン画面越しに動画など色々見せながらしてくれて、熱量も非常に高くて圧倒されました。
彼の場合は、日本に来た後もそれをキープしています。①チャレンジする、②完成させる、③極める、といった3点が揃っていて、こちらが働きすぎないよう止めないといけないぐらい仕事します(笑)
(写真:オフィスの風景。左から、バングラデシュ人のRidwanさん、Mahadiさん、カンボジア人のSreythouさん)
なんと、素晴らしいですね!
最近バングラデシュから採用された、Mahadiさん(バックエンドエンジニア)については如何でしょうか?
前川様:Mahadiはクラウドの専門家です。恐らくバングラデシュの前職で一通り習熟していると思うのですが、クラウド関係の構築は非常に良く出来ます。「こういう仕組みのものをつくりたい」とこちらが伝えると、その通りのものを作ってくれます。結構複雑で高度なんですけどね。
単にサーバーシステムを作るのではなく、DXのようなきちんとビジネスのことを考慮した仕掛けづくりをちゃんとやってくれます。彼は理解力が非常に良いです。
活躍しているようで私も嬉しいです。
御社が外国人エンジニアを見極める際に、大事にしていることは何でしょうか?
前川様:技術力と実行力があるかは、しっかりと確認しています。これは、過去のプロジェクトを、1つのことだったとしても、どのようにやりきったのか?どんな姿勢でどう取り組んだのか?を面接において深く聞いていくと分かります。
将来のキャリアビジョンや志望動機も聞きますが、それはある程度作文が出来るのかなと思います。過去のプロジェクトについては、本当にやりきった人であればあやふやな説明はしないです。もし不明瞭な回答であれば、2nd question, 3rd questionをしていくと、本当のその人の実力(技術力、姿勢含め)がガラス張りになっていきます。
例えば、会社が何かしてくれるのが先、というタイプの人がいるとしたら、そういう人は弊社とは合わないですね。そういう事も、面接を通じて確認します。
人間性も含めたところは、チーム面談で社員たちに見てもらっています。一緒に働きたいと思えるかどうかなどです。なので、弊社の場合は1次面接が私で、2次面接が社員という順番でやっています。
(写真:オフィスにて皆さんの働いている様子。左からカンボジア人のSovannaraさん、スリランカ人のJanithさん、バングラデシュ人のMojibさん)
前川さんは以前ソニーで長く働かれていて、おそらく日本人が多い職場だったと思うのですが、今多国籍チーム100%の職場において特にマネジメントで気をつけていることなどありますか?
前川様: 外国人でも日本人相手でも変わらないですが、開発目的や事業上の要点はなるべく説明するようにしています。私はあらましのレベルでしか話さないので、その分担当者からは丁寧な確認が来ます。やりとりは必要なだけしますが、答えを教えるということはしないです。答えを教えて成長しないのは困るので、自分で考えて下さいというスタンスです。目的と大枠の話を説明して、何をするかは各々に考えてもらうところから始めてもらいます。
自分で考えてもらうと、やはり気づくまでに時間がかかったりしないでしょうか?
前川様:時間がかかりますけど、結局そのほうが良いかな、というのが私の経験則ですね。
なるほどですね。御社では完全にフレックス制で、何の規制も管理も特にされていない中で、皆さん非常に自発的かつ熱心に勤務されています。何か秘訣がありますか?
前川様:やはりいい仕事を与えるというのが先ですね。「あなたの仕事はこれです」と渡したら、自発的にやりたくなるような仕事です。
その各個人のモチベーションが上がるような、”この仕事” のところは面接のときに聞いたバッククラウドをもとに判断されているのですか?
前川様:そうなのですが、来日して少し一緒に過ごせば志向がもっと詳細に分かります。どの辺りが得意なのか、仕事に向き合うときにどういう対応の仕方をするのか、あるいは、じっくり1つの事をやりたい人か、色々学習を広げるのが好きな人なのか、いろいろなタイプの人がいます。小さい会社ですので色々な種類の仕事があるわけではないのですが、なるべく本人に合うような仕事はこちらから提案して渡せるようにしています。
これからエンジニアの皆さんにどんなことを期待されてますか?
前川様:まずは、きちんとアウトプットを出していってくれることですね。プロダクトという形で。やはり彼ら自身の達成感も出ると思います。
それから、会社から何か与えられたから、それをただやるのではなく、きちんと自分のためになるやり方をして欲しいです。自分のスキルを上げるような仕事の仕方をして欲しいと思います。彼らが、次のステップアップに繋がるように経験を積んでもらいたいです。
人によっては、出来ればアントレプレナーになるくらいまでいってくれたら良いなと思います。逆に言うと、小さい会社は見通しが良いので、色々なものを学んでいって欲しいと思います。
開発だけでなく、仕事を取る、提案はコンサルティングからやる、部品の調達や納品も。つまり営業・開発・調達・品質管理すべてをやるわけです。間接業務も含めて全部やるので、一通りの業務経験が出来る。これが大企業にいくと、コーディングだけとかQAだけとかになるわけです。小さい会社にいるメリットはそこだと思いますね。だから色々なものを習っていって、ここから外に出ていくときはより高いステージで活躍して欲しいと思います。
これまで弊社VENTURAS経由で6名の採用をいただいたのですが、何かフィードバック、またはもっと期待することや、アドバイス等はございますか?
前川様:外国人の採用エージェントは何社か付き合ったことがあるのですが、御社の特徴は採用ときの面倒見がよいことだと思います。
技能・人物面でフィルタリングをしてくれて、面接する前にもさらに何かを選別してからアレンジしてくれています。技術試験実施のサポートも含め、そういうことをやられているところは、今のところ御社しか出会っていません。全体を通じて、良くして頂けていると思っています。
ありがとうございます!
都内でも地方でも人手不足。それを解決するために外国人エンジニア採用があるのはわかっているがなかなか踏み出せない企業が多いです。そういった企業にアドバイスやご意見を。
前川様:まずは人材に合った適切な仕事を与えることだと思います。
日本語が必須の企業も多いと伺っていて、そこは致し方ないところなのでしょうが、実際の採用となると結構ハードルが高いのではないのでしょうか。日本語は求めたとしても、日本人と同じようなやり方で働けというのも間違っていると思います。採用する側も、改めていく余地はありそうです。
(下記、エンジニアの皆さまとの対談)
話し手:Ridwanさん、Mahadiさん、Janithさん、Sreythouさん
Ridwanさん:仕事は面白いです。新しいこと、最先端のことにチャレンジさせてもらえています。面白いプロジェクト、経験のない分野のプロジェクトも、パッションがあれば挑戦させてくれます。進め方は、Suggestionを前川さんからもらい、前川さんと相談して進めます。まず、前川さんがエンジニアにやりたいかどうかを聞いてくれます。エンジニアがワクワクするかどうかを大事にしてくれます。プロジェクトアサインは、最初の段階で何ができるかどうかスキルジャッジして、少しずつステップアップする。質問があれば、24時間回答してくれる。会議もすぐひらいて、疑問を解消してくれる。チャットがいつもオンラインになっていて、本当にクイックレスポンスでとても助かります。
Mahadiさん:他の会社で働いていた時は組織の中にヒエラルキーがあって、上の人と直接話すことはできませんでした。
この会社はフレキシビリティーがとても大きい。時間の規定も無く、自分で自分のタスク量や納期を決めて働くことができるので、信用され尊重されていると感じます。
Sreythouさん:前川さんとは、カンボジアのインターンシップで出会いました。就職前にインターンを通じて、社長をよく知ることが出来ました。
前川さんの人柄に加えて、PlayStationの開発者であったこと、沢山の特許を取っていることなど、過去の功績にすごく魅力があり、本当に多くのことを学べています。
Janithさん:今後、もっとプロジェクトの内容を広げて、ほかのクライアントや違う分野にも挑戦してみたいです。
(写真:オフィスの風景。プロジェクトで使用するハードウェアが所狭しと並んでいる)
本日は、ありがとうございました!
(取材聞き手:株式会社VENTURAS グローバル採用育成事業部 土田沙羅)
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